「エフェメラ(ephemera)」とは、「短命なもの」のこと。古本の世界では、チラシとか、招待状とか、すぐに消えてなくなってしまうものを、こういう名で呼んで一括しています。
今日は、そんなものの例を一つ紹介しましょう。写真のポストカードは、1974年のニューヨークは、レオ・キャステリ画廊での展覧会のDMで、仲良く草むらに寝転んでいるのは、サイ・トゥオンブリ (Cy Twombly) とロバート・ラウシェンバーグ (Robert Rauschenberg)。この二人、若い頃から仲がよく、一緒にヨーロッパを旅行したりしています。70年代も半ばとなると、二人ともすでにある程度、その名をエスタブリッシュして、余裕綽綽の頃でしょうか(でなければ、こんな写真を二人展のDMに使うなんて、できないでしょう)。
どこか少年っぽい風情の二人、ちょっとギルバート&ジョージを思わせたりもして、悪くない写真です。研究価値も何にもないものですが、どこか忘れがたく、数年前に出会ったときには、ビッと反応してしまいました。
このDM、井上さんの作品とともに、しばらく壁にかかっていますので、興味のある人は、ぜひ一見のほど。展示替えとともに無くなる予定なので、たぶん、二度とお目にかかれないかも、、、。(すでに売約済みです。)