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このところ、立て続けに見た展覧会について少し。
東京都現代美術館で開催されていた(残念ながらもう終わってしまいましたが)「東京府美術館の時代」。これは、地味ですが、力のこもった意義深い展覧会でした。都美術館の前身である府美術館の成り立ちを、当時の家具や写真、デザイン画などで説明した部分に、まずホホウと感心。創立に深くかかわった佐藤慶太郎、こんな人物がいたのかと目を開かれました。 それから過去の展覧会の再構成のコーナーが続きます。点数に限りがあったり、写真資料が中心だったり(そうせざるをえない事情は十分理解できます)、想像で補わなければならない部分が多かったのですが、それでも各時代の空気がシャープに伝わってくるもので、見ごたえ十分でした。とくに読売アンデパンダンから伝説的な「人間と物質」展(東京ビエンナーレ)にかけての部分は、現代美術に興味のあるむきには、得るものが多かった展示でした。カタログも展覧会同様充実したもので、多くの力のこもった論文と濃密な資料は、ありがたいです。長い期間にわたって「使える」カタログになっています。 竹橋の国立近代美術館で開催中なのは、「ドイツ写真の現在」。「ドイツの」というよりは、現在、すでに国境を越えて活躍するドイツ出身の作家たちをフィーチャーした展覧会。作家数も点数もほどほどで、すっきりと見やすい展覧会でした。大御所ベッヒャー夫妻から、綺羅星ティルマンス、そして人気急上昇のロレッタ・ラックスまで、多彩な顔ぶれですが、個人的には、以前から本などで気になっていたハイディ・シュペッカーの作品が来ていたのがありがたかったです。会期は12月18日まで。 そして最後に、芸大美術館の吉村順三展。戦後のモダニズム建築を、主に住宅デザインの領域で支えてきたこの建築家の遅すぎる回顧展でしょう。建築の展示というのは、実物を持ってくるのが不可能なだけにつねに困難が付きまといますが、マケットと写真、図面などをうまく使って見やすく構成された展覧会になっています。プーシキン美術館展からの流れでしょうか、意外に多くの人が入っていて驚かされました。いや、それだけではなくて、入っている人がみな、熱心に展示を見ている様子が印象に残ります。住居の写真展示など、空間とともに、そこに配置してある家具などが(これは吉村とは関係ないのですが)、とても魅力的で、こんな家に一度は住んでみたいものだという素朴な感想をもちました。 惜しいのは、カタログ。きれいにできているのですが、ほとんど建築雑誌のような体裁と内容で、軽い論考しかなく、もう少し本格的な「論」があってもよかったのではないかと感じます。もちろん、吉村自身は、どちらかというと理論的なことを忌避するタイプの建築家だったろうと思いますが、モダニズムの歴史を再考するためには、彼のような人の仕事をきちんと歴史的に評価する論考が必要だろうと思います。これは12月の25日まで。 以上、駆け足にて。
by 66productions
| 2005-12-11 23:33
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