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久々にアーティスト・ブックを一冊紹介します。スイスの作家、ベアト・ストロイリ(Beat Streuil)が95年に出版したプロジェクト本。実際の撮影は92年に行われたらしいですが、フランスのサン=ジャンとラ・シャンスルリという街の、労働者階級中心の団地の日常を捉えた写真を編集したものです。被写体は、界隈の住民。買い物にでかける家族、遊びに興じる子供たち、なんとなく屯する人々など、日常の光景を写しとったもの。
ストロイリはさまざまな都市で、やはり、街頭の風景とそこを通過する人々を撮り続けている作家。スライド・ショー形式で発表してみたり、このプロジェクトのように本にしてみたり、発表形式は多岐にわたり、また、媒体も、写真にとどまらずヴィデオを使ったりもします。 この本では、一定の期間取り続けた二箇所の写真映像が時には連続したシークエンスとなるように編集されるかと思えば、突然、白紙が数ページ挿入されたり、同じ人物が写った写真が、離れたページに現れたり、複数のリズムが同時に混在していて、ページをめくるという行為(の方法)を読者に強く意識させます。そのせいもあって、写されている光景とそれを見る自分の距離が、雑誌グラビアをめくるような単純な消費的関係ではないようなちょっと難しいものになる感触があります。写真家ストロイリと被写体の微妙な関係や、郊外団地というコミュニティ(擬似コミュニティ?)の曖昧さ・複雑さもそこには写りこんでいて、それもまた、ある種の難しさ―魅力的な難しさ―を見る側に感じさせる要因かもしれません。本のつくりがシンプルで気軽に手にとれるものだけに(大きさは下の写真でわかると思います)、その辺りの機微が余計にヴィヴィッドに伝わってきます。
by 66productions
| 2006-08-13 00:35
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