昨日、最終日の東松照明展にすべりこみ。350点あまりの「東京曼荼羅」と題された展示は、疲れましたが、見ごたえ十分。2階だけなので、空間はそれほど広くなかったのですが、そこに可能なかぎり詰め込んだともいえる展示。写真と写真のあいだは10センチくらいではなかったかと思います。意図的に、そのような、連続性が強く感じられる方法を選んだのでしょう。近年の写真界では、一枚一枚のプリントの巨大化と、絵画的な展示が主流となっていますが、そういう傾向とは異質な見せ方でした。
東松氏の中には、社会的な関心が深く息づいているような写真と、抽象化された(ときに装飾的といいたくなるくらいの)構成写真への関心がともどもにあって、その両者の極の混沌とした交じり合いのなかで仕事が進んでいくというところが、50年代から現在までをカヴァーする今回の展示をみて、あらためて感じられたことでした。なんだか巨大な渦のような・・・。終わってしまった展覧会の報告で恐縮ですが、東松酔いのメモまでに。