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連休の一日を利用して、鎌倉の神奈川県立近代美術館で開催中の「エドゥアルド・チリーダ(Eduardo Chillida)展」を訪ねました。新宿湘南ラインが走るようになってから、鎌倉もずいぶんと近くなったものです。連休のせいでしょう、若いカップルが、グリーン車を使って小旅行気分を味わっている姿が目立ちます。
予想はしていたものの、鎌倉はすごい人出。駅から美術館の方まで抜ける「小町通り」は人いきれで窒息寸前。すぐに表通りへ出て、車道の中州のような形でまっすぐ通っている「参道」伝いに八幡宮まで行きました。 展覧会場は、外の人出とはうって変わって鑑賞者が少なく、一観客としては贅沢な時間をすごすことができましたが、それにしても、戦後のスペインを代表するこの作家の、日本では初めての大規模な個展に、これだけ人がこないとは、まさに「もったいない」。葉山で開催中のジャコメッティ展は、NHKや『芸術新潮』などが積極的に報道したことで、かなり人を集めているようですが、チリーダは、ジャコメッティにまさるとも劣らぬ作家です。この二人を同時開催というのは、偶然なのか、何か意図があってのことか、ともどもに「彫刻」を強く意識しながら、ほとんど対照的と言ってもいいような「空間」にたどりついてしまったのがこの二人です。あまりにも対照的なので、かえってそこには、裏口づたいのひそかな連絡があるような気さえします(実際、チリーダはジャコメッティにささげる作品をつくったりしてもいます)。 チリーダの仕事は、後の方になるほど規模の大きな公共彫刻が多く、それらについては当然のことながら小スケールの習作での展示になっていました。しかしこれが、どれも、それ自体として十分鑑賞にたえる「作品」でした。もちろん現場で経験するのと小モデルを見るのとでは、経験の質が違うはずなんですが、現場では見られないはずの構造の上部、上面がはっきり見えることで、チリーダが想像的に視点を動かしながら制作していたことが如実に感じられます。でもそれは、建築マケットのような「シュミレーション」ではなく、手の実在性をつよく感じさせるものでもあって、こちらの身体感覚を深いところで刺激してきます。(小モデルと大スケールの彫刻は、実際、細部がちがっていることが多く、チリーダは、公共彫刻を設置するときには、現場の環境とのかかわりでやはり細部を微調整していたようです。) また、ドローイング、版画、紙を何層かに重ねたものなど、平面作品も多く展示されていますが、これが、やはり、彫刻的というか、触知的・多層的・刳り込み的な空間把握を生々しく感じさせるもので忘れがたいものでした。以前、スペインでこの人の紙の作品群をまとめて見たときの驚きがもどってきます。会場の空間との相性もとてもよく、密度の高い時間をすごせること間違いなしです。ジャコメッティと「はしご」で、一日湘南に遊ぶというのも一案かもしれません。 ちなみに、「A」の関係者でもある林道郎が、作品の前で学芸員さんと一緒にギャラリー・トークをするとのこと。27日(木)の午後2時だそうです。 坂倉準三の鎌倉館も老朽化が激しく、解体案が出ていると仄聞します。果たしてどうなるのでしょう。補強工事で保存使用できるものならそうしてもらいたいというのが長年のファンとしての感想です。蓮の花が咲いていました。
by 66productions
| 2006-07-17 22:24
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